輝け!農の一番星バックナンバー

育てた花を身近に感じてもらいたい

花苗農家 坂口 裕城さん

季節に合わせて多くの品目を栽培


 ガーデニングの人気に伴い、需要の広がっている花苗もの。季節に合わせてたくさんの種類が楽しめるのも魅力です。そんな花苗を種から栽培し、苗として市場へ出荷しているのが、美浜町の坂口裕城さん(28)です。父の三男さんが経営する「緑風園」の後継者として、栽培に励んでいます。
 裕城さんが育てる苗は約20種類。パンジーやマリーゴールド、ナデシコ、キキョウなど、季節に合わせて栽培しています。「農閑期を作らないように通年で出荷してきたい」と、さまざまな品目を組み合わせ、販売店で「いつ何が売れているか」という情報のチェックも欠かせないといいます。

ハウス内の状況を見てその日の仕事を組み立て


 今年就農8年目を迎える裕城さん。子どものころから「農家の息子としていずれは農業を継ごう」と考えていました。高校を卒業後、製造業の会社で2年間働き就農。「会社では決められた仕事をすれば給料がもらえるが、農業は何を作って、どう売っていくかを考えなければいけない。自分で収入に結びつけていくのは大変だ」と農業経営の難しさを話します。
 「はじめは父に言われる通りの作業しかできませんでした」と就農当時を語る裕城さんは、現在現場での仕事のほとんどを任せられています。「植物の生長や施設の環境は日々違ってきます。毎朝ハウス内の状態を見なが
                          ら、温度の調整や水かけなど、その日の作業内容を組み
                          立てています」と仕事の進め方を教えてくれました。

規模拡大も視野に安定経営を


 苗の生産農家は、花が咲き始めたころ出荷できるように、生育の期間を逆算して種をまいています。しかし生育期間中の気候の影響などで、タイミングを合わせるのは難しいといいます。「生産者としては市場価格が良い時期を狙って出荷できるように栽培していますが、なかなか思うようにはいきません。長年経験してきた父のノウハウを引き継ぎながら、新しい技術も取り入れて、出荷タイミングを合わせていきたい」と話します。
「花苗は高価なものではないので、より多くの人に買ってもらい、身近に感じて楽しんでもらいたい」と話す裕城さん。「規模拡大も視野に入れて、安定した経営を続けていきたい」と今後の目標を語ってくれました。

区切り線

輝け!農の一番星 トップへ戻る