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青年部活動は盟友との交流の場

酪農家 奥村信太郎さん

牛に無理をさせず長く育てる


 「牛ってストレスに敏感な動物ですよ。周辺の騒音で驚かないように、この牛舎では適度な音量でラジオ放送を流して、音に慣らすようにしてます」と牛たちを優しく見守るのが、酪農家の奥村信太郎さん。現在美浜町の河和で搾乳牛30頭育成牛その他を15頭飼育しています。
 朝夕乳を搾り、餌をやり、ふんを片付け、牛舎内を清掃するなど、休日のない仕事をこなす信太郎さんは「毎日の作業は慣れてしまえば苦にならないですが、休みが取れないのが大変ですね。餌をやらずに牛たちを待たせるわけにはいかないので」と酪農家の苦労を語ります。
 信太郎さんが酪農家になったのは13年前、25歳の時。高校卒業後は会社員として働いていましたが、「農家の息子としていつかは酪農をやってみたいと心の中で思っていた」ため、職場の転勤を機に就農することを決意。父とともに牛を育て、今では経営の中心を担っています。
 信太郎さんの搾乳の目標は1頭当たり1日30キロ。一般的な量ですが、牛の体調や出産のタイミングなどで、安定した量を搾るのは難しいといいます。「輸入に頼ることが大きい牛の餌は、海外情勢や円安などの影響でコストがかかるし、未経産牛の価格も上がっている。たくさんの乳を搾るために牛に無理をさせるよりも、できるだけ長い期間飼えるように育てていくのが、今の家のスタイルです。こまめに牛舎を回り、体調の変化を見逃さないようにしたり、餌も牛に合わせて与えるようにしています」と飼育のこだわりを教えてくれました。

若い世代が参加しやすい魅力ある活動を


 JA青年部活動にも積極的に参加する信太郎さんは平成26年度、青年部長を務めました。「朝晩の搾乳や餌やりで、ほかのメンバーと時間が合わず、会議や研修に参加できなかったこともありましたが、仲間に助けてもらい無事に1年過ごすことができました」と振り返ります。


 青年部活動については「青年部は経営作目や立場が違う農家と情報交換ができるほか、他地域や県外にも多くの盟友ができる交流の場だと思います。今後も、どうしたら若い世代の農家が集まりやすいのかを考え、魅力を感じられるような活動にしていきたい。青年部長としての立場ではなくなりますが、一緒に活動していきましょう」と話してくれました。

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