輝け!農の一番星 JA YOUTHバックナンバー

地域を越えた交流活動に期待

イチジク農家 渡辺充則さん

家庭選別を徹底し良い物だけを出荷


 常滑市に住む渡辺充則さん(39)は、露地32アールとハウス20アールでイチジクを栽培する農家です。現在は父と二人で経営を担い、高品質のイチジク栽培を目指しています。
 「農家の息子だからいつかは継ごうと思っていた」という充則さんは、高校を卒業後、大手陶器メーカーに就職しました。製造現場で働いていましたが、事務職への異動を機に10年勤めた会社を退職。農業の道に進みました。今年で就農して11年を迎えます。「体を動かす仕事がしたかったので、事務職への異動は就農を決意するいい機会になりました」と当時を振り返ります。
 充則さんの農園では、現在ハウス栽培を一時休止しています。株の病気対策として昨年改植をすすめ、耐病性のある台木に桝井ドーフィンを接ぎ木し、現在育成中。今年はビニールを掛けず、露地と同様に収穫へ向けて育てていますが、今後は生育の状況を見ながら加温して、本格的なハウス栽培に移行していく予定です。


 イチジクは収穫時期に入ると、早朝に収穫して日中は選別とパック詰め、夕方は出荷と、一日中作業に追われます。また露地栽培では出荷時期が8月中旬から11月上旬までとなり、冬野菜などの苗作りや定植時期と重なるため、他の作物との複合経営が難しいと言われています。「ハウス栽培なら露地と収穫時期をずらすことができるので、ほかの作物を組み合わせることなく、年間の売り上げ確保につなげることができます」とハウス栽培を組み合わせる利点を紹介してくれました。
 露地イチジクの品質を上げるため、充則さんは知多地域全体ですすめる傘掛け栽培に取り組んでいます。天候影響を受けることが大きいのでどうしても規格外品も出来てしまう。信頼される産地になるためにも、家庭選別を徹底して、良い物だけを出荷していきたい」とこだわりを話します。


交流を深める活動を活発にしていきたい


 青年部常滑地域は、地域活動として毎年視察研修会や、農業まつりへの参加を通じて気軽に集まり、交流を深めています。今年度地域部長を務める充則さんは「市町の枠を超えて、ほかの地域と交流することは、なかなか難しい。本部での活動を始め、さまざまな行事に積極的に参加し、より多くの盟友と交流を深めたい」と、今後の青年部活動への思いを熱く語ってくれました。

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