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ひとりでこなせる限界までとり組む

野菜農家 平松 賢一さん

毎朝4時から収穫
暑い夏がピーク


 南知多町でナスの露地栽培に取り組む平松賢一さん(35)は、阿久比なす部会に所属する農家。本格的な出荷を始めてから、今年で2年目を迎えます。栽培する品種は長ナス系の「筑陽(ちくよう)」で、およそ10アールの畑で600株を育てています。収穫時期は6月下旬から10月まで。暑い夏の時期がピークになります。
 「朝は4時ごろから収穫をはじめています」という賢一さん。「気温が上がり、ナスが暑くなってから収穫すると、コンテナの中で蒸れて、ナス特有の艶がなくなり、傷みが早くなります」と教えてくれました。夏の間の3カ月間は、毎日早朝からの収穫が続きます。

JAなどの紹介で阿久比なす部会へ


 現在は内海で暮らす賢一さんの出身は半田市。祖父の代は養豚農家だったそうです。その後は兼業で、自家消費用のコメや野菜を作っていました。「子どものころは畑や田んぼで遊び、農業を身近に感じていました」と振り返ります。
 高校卒業後郵便局員として働いていた賢一さんは、もっといろいろな仕事がしてみたいと考え、8年間務めた郵便局を退職しました。身近に感じていた農業について学んでみようと、地元の法人が主催する職業訓練に半年間参加し、ナスの栽培に出会いました。その後、南知多町内の農家でさらに1年間研修を受け、キャベツやブロッコリー、トウモロコシなどの栽培も学びました。
研修先が南知多町だったことも縁で、町内で畑を借り内海へ移り住んだ賢一さんは、本格的なナスの栽培をスタート。JAなどの紹介で阿久比なす部会に入り、美浜営農センターを通じで出荷しています。

ロスを見越していっぱいまで作付け


 一般的なナスの栽培では、金属製のパイプなどを使ってフレームを作り、そこへ枝をつっていきますが、賢一さんは手間とコストを抑えるために、一部の畑でワイヤを張って枝をつる方法を試してみました。ところが7月の台風でワイヤが緩み、収穫時期を迎えたナスの枝が裂けるなどの被害が出てしましました。
それでも前向きに次の対応を考える賢一さんは「何かあって出荷するものがなくなってしまうことの方が不安に感じます。ロスになる部分も見越して、自分の能力いっぱいまで作付けしていきたい」と経営方針を話します。将来は「どんどん規模を拡大して、いい作物をたくさん販売していきたい」と語ってくれました。

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