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美味しい有機野菜を安定的に供給したい

露地野菜農家 家田 明宜さん

化成肥料・化学合成農薬は一切使わない


 健康への関心の高まりから、近年は有機栽培した野菜の人気が出ています。南知多町の家田明宜さん(34)は、新規参入して有機栽培農業に取り組む農家。現在町内で1・5ヘクタールの農地を借りて、年間30種類以上の露地野菜を栽培しています。農薬や化成肥料を一切使わない、こだわりの農業で、野菜本来の自然の味を引き出した栽培に力を注いでいます。
現在一人で農業経営に取りむみ、冬から春はホウレンソウやミズナ、コマツナなどの葉物野菜を、夏から秋はトマト、カボチャ、トウモロコシ、ナスなどの果菜類を栽培。6月はタマネギが収穫時期を迎えています。

まずは仕事の基本を覚え一人前の農家に


 親も農家ではなかった明宜さんは、外国の生活にあこがれていました。高校卒業後、工場で働きお金を貯めては、長期間海外で過ごすという生活をしていましたが、「このままではいけない。30歳までには地に足のついた生活をしよう」と考えるようになりました。そして28歳の時、「地元で一生続けられる仕事に就こう」と農業をはじめることを決意しました。
 「自分で作るなら安心・安全な野菜が作りたい」と考えた明宜さんは、地元で有機農法をする農家で研修生として2年半働き、有機栽培の基本を覚えながら、自分でも栽培を始ました。今年で独立して3年目を迎えます。

有機質たっぷりの土でストレスのない環境を


 化学合成農薬や化成肥料を一切使わない栽培は虫の被害や、病気などが発生しやすくなります。「種をまいても発芽しなかったり、途中で病気が出て全部枯れてしまったこともあります」と栽培の苦労を話す明宜さんは、「堆肥などの有機質肥料を十分に入れて土づくりをすることで、野菜にとってストレスのない環境を作り、出来るだけ被害が発生しないようにしています」と取り組みを紹介してくれました。
 有機栽培の野菜は一般の野菜と流通の仕組みが違って、生産者自身が販売ルートを確保しなければならないといいます。「初めは作っても売る先がないこともあった。他の農家とのつながりの中から少しずつ紹介してもらい、ようやく継続して買ってもらえる契約先ができた」と販売の難しさを話す明宜さん「契約してくれたお客さんに迷惑を掛けないように、安定した供給できるようにしていきたい」と話してくれました。

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