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父の作業を見ながら
農業の基本を学ぶ

切り花農家 戸田 陽久さん

身近な先生父の存在が就農の決めて


5月と言えば母の日。この日に送る花として有名なのがカーネーションです。でも実際には10月から5月ごろまで長期間出荷されています。
東浦町の戸田陽久さん(26)はカーネーションを中心にケイトウ、菜の花などの切り花を生産する農家の後継者就農3年目を迎えます。高品質で日持ちの良い花を作るため、父親の忠良さんを手本に日々栽培に励んでいます。現在カーネーションの栽培は約50アール。鮮やかな赤に白い縁取りがあり、星形の花びら特徴の「スターチェリー」をはじめ、8種類のカーネーションを育てています。「いろいろな産地の作り方を見て、自分の栽培に生かしていきたい」と、陽久さんは意欲を燃やしています。
中学生の時、柔道部に所属していた陽久さんは柔道の練習を通じてマッサージやリラクゼーションに興味を持ち、大学では鍼灸について学びました。しかし、一生の仕事として職業を考えたとき、「ずっと見てきた家の仕事がやりたい」と思い、就農することを決めたといいます。「子どものころからハウスの中が遊び場で農業を身近に感じていた。何よりも父という先生が近くにいるのが魅力」と父・忠良さんの存在が影響を与えました。

まずは仕事の基本を覚え一人前の農家に


従来ガラス温室が多かったカーネーションの栽培ですが、陽久さんの農園ではビニールハウスを使っています。苗の定植が終わった夏の時期にビニールをはがし涼しく管理する「雨あて栽培」をすることで、定植後の生育を良くして、お正月に向けた年末の需要期に品質の良いカーネーションの出荷を可能にしています。
日々の作業について「全体の流れは分かっていても、細かいことは自分の判断ではできていません。どんな肥料をどのタイミングで入れるのか、いつ何の農薬を使うのかなど、父に言われるままに作業をしています」と話す陽久さんは毎日行った作業をメモに取り、記録に残しているそうです。
現在増設中のビニールハウスでは、ケイトウの栽培を予定。「ケイトウは花が傷みやすいので作業が難しい。扱い慣れている父の手元を見て学び、うまく扱えるようになりたい」と陽久さん。「まずは仕事の基本を覚えて、一人前の農家になることが目標。その後に自分の経営について考えていきたい」と笑顔で話してくれました。

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