輝け!農の一番星バックナンバー

家族や部会の仲間の協力があって農業を実現

イチジク農家 平川 敦司さん

就農2年目 初の出荷を実現


 就農2年目を迎える今シーズン、初めての本格的な出荷に向けて、イチジク栽培に励んでいるのが東海市に住む平川敦司さん(42)です。妻・園子さんとの二人三脚で、一つ一つ課題を乗り越え、おいしいイチジクの出荷を実現しました。
 現在は知多市内で70アールの農地を借り、30アールにイチジクを植えています。品種は「サマーレッド」。雨による品質低下を防ぐため、畑をビニールで覆う雨よけ栽培を行っています。

大好きな果物農家になりたい


 サラリーマン家庭に育った敦司さんが農業に魅力を感じるようになったのは、両親の影響でした。「定年退職した父が借りた畑に、イチジクが植わっていたことから、父はイチジクの栽培を始めました。『忙しい』と言いながら収穫に励む両親の充実した姿を見ているうちに、農業に対する憧れが芽生えてきた」といいます。
もともと果物が大好きだった敦司さんは次第に「イチジクなどの果物を作る農家になりたい」と思うようになりました。しかし「軌道に乗るまで生計をたてていけるのか」という不安があり、なかなか就農に踏み切ることができませんでした。
 ある時、新聞で農業始めてから軌道に乗るまでの5年間給付金が受けられる「青年就農給付金」の記事を見て「これだ」と思った敦司さんは、会社を辞めて就農することを決意しました。
何から始めればよいか分からず、父のイチジク畑で草取りをしていると、近隣のイチジク農家から「よかったらうちに手伝いに来ないか」と声を掛けられました。このことをきっかけに敦司さんは、イチジク栽培を手伝いながら身に着けるとともに、県立農業大学校の雇用創出農業研修にも参加し、農業の基本的な知識や、栽培技術、農業経営などを学びました。

一緒に作業をしてくれる妻に感謝


 9カ月間の研修と並行してイチジクの苗木を育てていた敦司さんは、研修が終わった2013年にほ場へ定植。その後は妻の園子さんと二人で排水を良くするために溝を掘ったり、雨よけハウスを建てたりと、生産に向けた作業を続けてきました。
 「OLだった妻がスコップを使ったり、ハウスを組み立てたりなど、全く経験のない農業を一緒にやってくれて本当助かっている」と話す敦司さん。「手伝ってくれる妻や両親、何かと声を掛けてくれるイチジク部会の仲間の協力がなければ、果樹農家になる夢は実現できなかった」と感謝の気持ちを語ってくれました。

区切り線

輝け!農の一番星 トップへ戻る