輝け!農の一番星バックナンバー

生育状況を数値化して収量と品質の両立につなげる

露地野菜農家 浅田 大輔さん

農業について学ぶのが趣味のようなもの


 「経験や勘に頼らず、植物の生育状況を数値化して栽培管理に役立てたい」と科学的な考え方を取り入れた農業に力を入れようとしているのが、大府市の浅田大輔さん(31)です。
 大輔さんは大規模で露地野菜を栽培。現在はキャベツを3ヘクタール、タマネギを1・5ヘクタール、ハクサイ、ジャガイモをそれぞれ50アール作付けし、両親と3人で経営。この時期はキャベツとハクサイが本格的な出荷シーズンを迎え、作業に励んでいます。
 「作業が無い日や夜は、農業について勉強し、それが趣味のようなもの」と大輔さんは、知識の習得に意欲を燃やしています。

就農前に1年間 農作業し体力を確認


 農家の長男としていずれは農業を継ぎたいと考えていた大輔さんですが、大学と大学院では理工系を専攻。超伝導体に関する研究をしていました。しかし、「農業を継ぐ」という目標のために、就職先は地元の企業を選択。「就農の相談を電話ではなく、直接父と会って話がしたかった」と当時を振り返ります。
 地元の自動車部品メーカーで2年間サラリーマン生活していた大輔さんは、自分に農作業をこなせる体力があるかどうか、本当に農業をやりたいのかを確かめるために、実際の農作業を手伝い始めました。「会社の休みの日に作業し、それでもやりたいと思えたら就農しよう」
                           と考えたそうです。体力にも自信をつけた1年後に、
                           本格的に就農しました。

作物の状態を数値化し栽培管理に役立てる


 就農5年目を迎えた大輔さんは最近、「使用する肥料の種類や施用量、方法にはもっとよいやり方があるのでは」と思うようになったといいます。さらに栽培管理を勉強していく中で、「何も話してくれない植物の状態を知る手段を、やっとつかみかけてきました」と話します。
 試行錯誤しながら自分の栽培技術を確立しようとする大輔さんは、さまざまな測定器を使っています。「植物の体内養液を測定器で測り数値化することで、肥料の過不足や生育状況を判断しています。今の目標は、その数値を栽培管理に役立てて、収量の確保と品質の向上につなげることです」と、新たな視点からの取り組みを熱く語ってくれました。

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