輝け!農の一番星バックナンバー

オリジナル品種を見つけたい

デンドロビウム農家 浅井 浩之さん

植物や生き物が好きだった


 東海市在住の浅井浩之さん(32)は、東浦町で伯父が経営する浅井大桂園の後継者として、デンドロビウムを中心とした洋ランや、観葉植物の生産・販売に励んでいます。
 「市場へ出すだけではなく、直接消費者と話をしながら売っていきたい」と販路の拡大も視野に入れる浩之さんは、オリジナル品種の栽培をはじめ、エアープランツやカンガルーポケットなど、個性的な観葉植物の導入にも力を入れています。
植物に限らず、生き物が好きだった浩之さんは、子どものころから図鑑を見たり、動物園や水族館で生き物を観察することを楽しんでいました。しかし農家ではなかったので、大学も農業とは関係ない文学部へ進みました。就職について考え始めたころ、「地元へ帰って就職したい」「農業は自分で仕事が調節できるのでは」と思うようになり就農を希望。当時、経営を縮小しようとしていた伯父・信之さんの浅井大桂園を継ぐことを決意しました。

デンドロ研究会で情報交換


 子どものころ、農園に遊びに来て伯父の作業を見たり、少し手伝ったりした程度だったため、浩之さんは、就農を前に、千葉県のコチョウラン農家で1年半ほど研修を受け、洋ラン栽培の基礎を学びました。大桂園に帰ってからは知多半島内のデンドロビウム栽培農家で作る「知多地域デンドロ研究会」に参加。ほ場を回って先輩たちの技術を学んだり、情報交換をしています。

オリジナル品種を育てていきたい


 現在はおよそ1000坪(約33アール)の施設で原種やオリジナルを含め10品種ほどのデンドロビウムを出荷する浅井大桂園。メインは信之さんが育種した品種「ファイヤーバード」です。鮮やかなオレンジ色で花数が多くボリュームがあるのが特徴。本格的な出荷シーズンは3月から5月です。
多くの品種を作る浩之さんは「同じデンドロビウムでも、与える水の量や光線量、温度管理など作り方がそれぞれ違います。少しの環境の違いで、花芽がつかなかったこともあります」と苦労を教えてくれました。
 現在の品種構成は信之さんが見出したり、育種した品種が中心。「今後は自分でも人気商品になるようなオリジナル品種を見つけて育てていきたい」と意欲を語ってくれました。

バックナンバー
輝け!農の一番星 トップへ戻る