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6次産業化で販路の拡大目指す

稲作農家 谷川正さん

食品の信用を守るのが農家の責任


 「精米して並べておくだけで、米が売れる時代ではなくなった」と話す美浜町の谷川正さん(37)は、モミの播種から栽培、収穫、精米、販売までを一貫経営する「美浜グリーンサービス」の後継者です。「新しい米の加工品も手掛けていきたい」と、稲作の6次産業化で販路の拡大を目指しています。現在は地域の水田を借り受けた大規模稲作と、作業委託契約を合わせた40ヘクタールで経営しています。
 8月中旬から稲刈りが始まり、今年も新米のシーズンがやってきました。
 正さんが栽培する米の7割は、農林水産省が定めたガイドラインに沿って、化学合成農薬と化学肥料の窒素成分を慣行レベルから5割以上削減した特別栽培米の「コシヒカリ」と「ミルキークイーン」。どちらも美浜町商工会の「みはま特産品」の認定を受けています。
 残りの3割は「あいちのかおり」やもち米ですが、今年から飼料用米にも取り組んでいます。「米作りは土づくりから」とこだわりを語る正さんは「特別栽培米だけでなく、ほかの品種も同じように低農薬で栽培しています」と安心・安全を強調。「一貫経営だから生産から販売・提供まで各段階を記録するトレーサビリティの徹底が可能です。食品の信用を守るのが農家の責任だと思います」と話してくれました。


 大規模な稲作経営では何種類もの大型農機を活用し、効率化を図っていいます。でもどうしても人の手間が掛かる作業もあります。「水の管理やあぜの草刈りはどうしても人の手間が必要。草は刈ってもすぐ伸びてくるので、毎日作業に追われています」と苦労を語ります。
 正さんの経営規模では、すべての田んぼに苗を植えるには6000枚以上の苗トレーが必要といいます。この苗を育て、田んぼに運び植えていくのは大変な手間が掛かります。今後は水を張っていない田んぼに直接モミをまく、「不耕起V溝直播栽培」の導入も検討しているそうです。


時間や体験を共有し地域活性と自己啓発へ


 昨年度、青年部美浜地域の地域部長を務めた正さんは青年部活動について「青年部の活動でしか得られない体験や、一緒に過ごす時間がある。積極的に活動に参加し、体験し感じたことを部員が共有することで、地域の活性化と自己啓発につなげてほしい」と活動の成果に期待を寄せています。

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