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土地や環境に合わせて完全無農薬のハーブを栽培

ハーブ農家 剛谷 哲司さん

20種のハーブを育て加工品として販売


 自然で優しい香りと健康的なイメージで、幅広い年代の女性を中心に人気がある「ハーブ」。けれども、知多半島内で専門的に育てている農家は多くありません。名古屋市出身の剛谷哲司さん(49)は南知多町で1ヘクタールの農地を借りて、妻の久美さんと二人で「ハーブ農園リッコ」を経営。ローズマリーやミント、バジルなど低木系のハーブ約20種類を育て、ハーブティーやペースト、ハーブソルトなどに加工して、大府市のげんきの郷などで販売しています。「知多半島の自然や、畑の環境に合った種類を選び、完全無農薬で安全なハーブを届けたい」と意欲を燃やしています。

海外では日常的ハーブ
利用のすそ野の広さに興味


 哲司さんがハーブと出会ったのは5年ほど前。仕事のために海外で暮らした時のことです。家族で街を歩いていると、咳をしていた子どもを見た現地の人が「咳なら、これとこれがいいよ」と効果のあるハーブをブレンドして薦めてくれました。「外国ではハーブの薬効が認められ、日常生活に溶け込んでいるんだ」と感心したといいます。
その後日本へ帰った哲司さんたちは、農作物としてだけでなく、化粧品やお菓子の材料、薬効、アロマセラピーなど、利用のすそ野が広がるハーブに魅力を感じ、興味を持つようになりました。就農することを決意した哲司さん夫婦は、静岡県内の農家で1年間ハーブの栽培を学びました。

自分で絞ったオリーブでペーストを作るのが夢


 就農して3年目を迎える哲司さんは「新規参入なので、畑を探すところから始めました。なかなかいい条件で借りられる農地がなく苦労しました」と当時を振り返ります。知多半島の友人から紹介してもらった今の畑について「高台で海が見える景色のいい場所です。休耕地だったので雑木が生えていたり、土がやせていたりしましたが、木はそのまま自然の木陰として残したり、やせた土地でも育つ種類を選ぶなど工夫しながら栽培しています」と紹介してくれました。
 哲司さんの加工品で人気があるのが「バジルペースト」。自分で作ったバジルと国内産の原料にこだわっていますが、オリーブオイルはコストがかかりすぎるため、外国産を使っています。「今は畑に15本のオリーブを植えていますが、今年も100本の苗木を購入する予定です。将来は畑の周りをオリーブの木でいっぱいにし、自分で絞ったオイルを使って100%国産のバジルペーストを作るつもりです」と夢を語ってくれました。

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