東海市・知多市のふき振興会は6月14日、3年後の栽培ほ場で使うフキの種株となるウイルスフリー苗の根切り作業を行いました。両振興会の代表ら20人がJAあいち知多西部総合営農センターで根株を洗って切り分け、冷蔵しました。
JAあいち知多は全国一のフキの産地で、東海市、知多市、南知多町などで40戸の農家が25ヘクタールでフキを栽培します。品種は愛知県伝統野菜の「愛知早生」と愛知県と愛知県経済農業協同組合連合会が共同開発した「愛経2号」。フキは三倍体の植物で雄花がなく種を作らないため、毎年根株(地下茎)を植えて栽培します。連作障害への対応として1992年からウイルスフリー苗の導入が始まりました。導入した根株は、共同施設と生産者のほ場で2年間の増殖を繰り返し、3年後の栽培に使用します。通常、フキを収穫した後は、根株をほ場にすき込んでしまうため、毎年根株を更新する必要があります。今年は(公社)愛知県園芸振興基金協会の種苗センターで育成した苗1400株を導入しました。
振興会員らは、苗をポットから取り出して土などを落としてから、水洗いし、根株を2芽以上残して10~12株に切断しました。ウイルスフリーの優良苗がほかの菌に感染しないよう、根株や刃物を消毒しながら作業を進めました。切り分けた根は木製のリンゴ箱に詰めた後、同JAの東海予冷庫で保管。約2カ月後に、ポリエチレンポットに植え本格的な増殖を行います。
