「南津海」出荷スタート/初夏においしいミカン

 あいち知多かんきつ出荷組合は4月4日、JAあいち知多美浜みかん共選場でミカン「南津海(なつみ)」の共同選果を始めました。今年は、表年であり収量は昨年より大幅に増量し、品質も良好です。9人の生産者が92アールで栽培し、4月21日までに24.5トンの出荷を見込みます。
 4月8日には、3人の生産者が家庭で選別した南津海3トンを同共選場に持ち込みました。選果担当者らが傷などをチェックし、選果機を使って大きさの階級に仕分け、段ボールに詰めた後、名古屋と東京の市場へ送りました。東京へ送る一部は、百貨店やフルーツ専門店向けに、同共選場の従業員が手作業で傷や色、形などをひとつずつ確認しながら、きれいに並べて箱詰めしました。
 「南津海」は「カラマンダリン」と「吉浦ポンカン」を交配させた品種で、初夏においしく食べられることから「南津海」と名付けられました。手で皮がむきやすく、内皮も薄いため食べやすいです。樹上で完熟させることで強い甘みとほど良い酸味があり、味が濃いのが特徴です。
 組合では年明けから出荷が始まる一般的なかんきつ類の出荷が終了し、競合するかんきつ類が少ない時期に出荷できる品種として「南津海」に着目。13年前から栽培をはじめ、2016年に初の共同選果による出荷を実現しました。栽培は屋根掛け栽培が一般的のため、雨による病害も少なく栽培しやすいといいます。
 生産者の神谷英明さんは「濃厚な甘みでこくのある味わい。そのまま食べてもおいしいが生絞りジュースやお酒との相性も良い」と話しました。
 南津海は、同JAのグリーンセンターまたは同出荷組合で購入できます。