タマネギ伝統野菜種子確保へネット張り/玉葱原種保存部会

 東海市、知多市のタマネギ農家の有志でつくる「玉葱原種保存部会」は3月8日、共同で管理する東海市内の採種ほ場で「養父(やぶ)早生」タマネギの採種に向け、ネット張り作業を行いました。
 「養父早生」タマネギは一般的な極早生品種よりも更に早い時期に収穫できる在来品種。愛知県の伝統野菜のひとつであり、東海市や知多市で1945年ごろから栽培されています。黄タマネギに分類され、辛みが少なく甘みが強いのが特徴で形は扁平。
 「養父早生」タマネギは他の品種に比べてネギ坊主が小さく、受粉する力が弱いことから採取が難しいと言われています。「養父早生」タマネギは1月から4月のJAあいち知多独自ブランド「たま坊」の代表品種でもあり、採種時期の高温による採種量の減少が問題となっています。自己改革の一環としてJAあいち知多が実施している農業チャレンジサポート事業を活用して、高温対策として遮光資材や潅水資材の設置など採種ほ場の環境改善に取り組んでいます。
 この日は保存部会員、JA、行政の関係者9人が集まり、ほ場に支柱を打ち、網目状のネットを掛けて、ネギ坊主が倒れないようにする作業を行いました。
 今後は、雨よけビニールを張り、除草や病害虫防除などの管理作業を行い、6月末にネギ坊主を刈り取る予定。刈り取ったネギ坊主は乾燥させたのち、手作業で採種を行います。
 同部会の坂尚芳部会長は「採種できる種子は年々減少している。伝統野菜の保存のため、毎年続けていくことが大切。若い世代にも加わってもらい、採種の技術を継承していってほしい」と話します。



  • 前へ
  • 次へ