フキ優良苗増殖へ/根洗い切り分けなど作業

 東海市・知多市のふき振興会は6月19日、3年後の栽培ほ場で使うフキの種株となるウイルスフリー苗を切り分け、冷蔵する作業をJAあいち知多の知多営農センターで行いました。両振興会の代表ら30人がポットから取り出したフキの根を水洗いし、1つの種株を12株程度に切り分けました。切り分けた根は木製のリンゴ箱に詰めた後、JAあいち知多東海予冷庫で保管。約2カ月後に、ポリエチレンポットに植え本格的な増殖を行います。
 JAあいち知多は全国1のフキの産地で東海市、知多市、南知多町などで約59戸の農家が39ヘクタールでフキを栽培します。品種は「愛知早生」。フキは三倍体の植物で雄花がなく種を作らないため、毎年根株(地下茎)を植えて栽培します。連作障害への対応として1992年からウイルスフリー苗の導入が始まりました。導入した根株は、共同ほ場と生産者ほ場で2年間の増殖を繰り返し、3年後の栽培に使用します。収穫した後は、ほ場に鋤き込んでしまうため、毎年根株を更新する必要があります。今年も(公社)愛知県園芸振興基金協会の種苗センターで育成した苗1400株を導入しました。
 作業ではポットから取り出して水洗いしたフキの根株を2芽以上残して12株程度に切断。ウイルスフリーの優良苗がほかの菌に感染しないよう、刃物を消毒しながら作業を進めました。
 東海市ふき振興会の小野光男会長は「根を丁寧に切り分け、全生産者に行き渡るよう株を増殖していきたい」と話しました。



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